天保十二年のシェイクスピア

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蜷川幸雄さん演出の『天保十二年のシェイクスピア』めちゃくちゃ笑いました!とにかく面白かった!!出演者みんながすごい舞台というのは本当に素晴らしいです。演じている人たちに余裕が感じられて、観ている方としても安心して観れました。かなりきわどいシーンもあるのですが、どうやら先日の『吉原御免状』で免疫出来てたみたいです。そして、私・・・ほとんどシェイクスピア作品を知りません。知っているのは「夏の夜の夢」「ロミオとジュリエット」「ハムレット」・・・あっ、映画「恋に落ちたシェイクスピア」は見ました(^^ゞってそんな程度なのですが、元ネタ知らずとも、ものすごく楽しめました。この作品のすっかりファンになっちゃった私。こうなったら上川隆也さん主演の劇団☆新感線版も観たくなってきました。きっと新感線の方は殺陣だとか音効がもっと面白そうだなぁ。DVD買っちゃう?なんて気分です。蜷川さん版はクリスマス頃にWOWOWで放送されるとのこと。2画面で見たいようなシーンがあったり、ステージ横のモニターには歌詞が出ていたり、シーン名が出ていたり・・・そういうのは、どう映像化するのだろう?なんて、とっても楽しみです。休憩20分を含めて4時間の超大作、終演予定が22時半だったのですが、実際劇場を出たら22時40分。劇場のロビーには終電情報の紙も貼ってありました。

さてさて今回のお席は・・・Q列と、かなり後方で、大丈夫か?と心配しつつ行ったのですが、全然OK。双眼鏡無しでキャストの顔ちゃんと見えましたし、客席を結構使っていたので、余すところなく観れてむしろ良い感じでした。そうそう、今回の劇場はシアターBRAVA!この春まで劇団四季の劇場だったところです。私がこの劇場へ出向くのは「キレイ」「近代能楽集」に続いて3回目。この劇場は・・・トイレが素敵。いや、豪華とかじゃなく、四季劇場の作りは東京も同じなのですが、個室の数が多くて全体が簡単に見渡せて広い。なにぶんズドンと横並びなのです。ものすごく人が並んでいても、スルスルと列が進んでいきます。そしてドアにプレートが付いていて、ドアが開くと(トイレが空くと)プレートが待っている人に見えるようになっているのです。次の人は目印のプレート目指して進むだけ。帝国劇場や梅田芸術劇場は入り組んでいるので休憩時間にはトイレの中に空いてる場所を教えてくれるスタッフがいるのですよ。ここのトイレは本当に素晴らしい。

そしてパンフレットは・・・大阪公演仕様のものが発売されていました。東京は9月がお稽古写真入、10月は舞台写真入と2冊発売されたとのこと。東京のものを見ていないのでなんとも言えないのですが、大阪はB4サイズで、キャスト紹介が中心って感じ。中央にあるTシャツだとかポスター等のグッズも売っている売り場では、お願いすればパンフレットを入れる袋をいただけました。公演名が入っているとか、劇場名が入っているとか・・・全くそういうことない普通の袋でしたけれど(^^ゞ

それでは、今回はキャストが個性的で豪華だったので個々に感想を。

唐沢寿明さん・・・つくづくマルチな人なんだなぁ~と感心。歌も上手いじゃない・・・と思っていたらミュージカルにも出てられましたよね。来年、井上芳雄さんが出演される「Me&MyGirl」とか・・・「Big」にも出られてましたよね。そういう爽やか系ではなく今回のような悪役もバッチリこなして・・・感心することばかり。今放送されているコーヒーのCM内で双眼鏡を覗いて一言・・・これが実は嫌いで(^^ゞ唐沢さんかぁ~なんて思っていたりもしたのですが、あのCM以外は好きかも。

藤原竜也くん・・・この人の芝居はやっぱりさすが。これだけダァーっとたくさんある台詞をテンポ良くクリアに伝えられる人って他に知りません。いつもは全体暗いか段々暗くなるかって芝居が多いので最初から最後まで楽しそうにしている姿を観るのは初めてかも・・・。ただ歌はねぇ~。ちょっとビックリしました。公演が決まった頃、テレビ雑誌だったかな?で「井上(芳雄)くんみたいに唄えたら・・・」というような記事を読んだのですが、あれだけ滑舌良くしゃべる人だし声出る人だから、なんやかや言って上手いんだろう・・・なんて思っていたのですが、台詞の発声と歌の発声はやっぱり違うものなんですね。でも、竜也くんがやった役を、もしも井上さんがやったら・・・私確実に寝込みます(^^ゞ

篠原涼子さん・・・可愛いし、綺麗だし、上手いし。もうちょっと声が出たら理想的かなぁ~。たんかを切る姿にホレボレ。歌が意外に・・・もう一歩でした。

夏木マリさん・・・この方は「阿修羅城の瞳」で拝見してから2度目。悪キャラ似合います。そして異様な色気。歌も上手くてすっごい好きです。

高橋惠子さん・・・全然誰だかわかりませんでした(^^ゞ休憩時、同行者に「あの人誰ですか?」と訊く私。ハムレットの時の綺麗な王妃様とは、あまりの違いで。歌も上手いし、美人だし、また美人を崩すことも上手いし・・・この人もすっごい好き。

高橋洋さん・・・ビジュアル素敵だし、芝居上手いし、リズム感もすっごく良い!今回かなりこの方の株が私の中で上がりました。「間違いの喜劇」はパスしようと思っていたのに、ちょっと悩みだしたりして。棺桶を作っているシーンのラストの演出につい自然に「あっ!」って声出ちゃいました(^^ゞ面白い場面あり、ちょっとホロリとさせる部分あり・・・この方だけ、遊ばずきちんと芝居してました・・・って感じ。生真面目!そこがまた好印象。

西岡徳馬さん・・・本当に素敵。昔、西岡さんと三田村邦彦さんの出られていた時代劇にはまり、毎週録画して観ていたのです。この方一人で何役かこなしておられたのですが、お見事でした。面白かった!

白石加代子さん・・・「夏の夜の夢」のパックをモデルにしているみたいなのですが、どう見ても妖怪・・・。でもこれがとってもチャーミング。白石さん・・・最高!