このブログのプロフィールの興味あること欄に読書というのを掲げている・・・って、プロフィール見ていただいてない方が大半かな?あまり大したこと書いてませんので、お気になさらず(^^ゞで、たまにはマジな読書のことも書いてみようかな?と、今日は書き始めています。
普段私の読書スペースはお風呂場です。日課の半身浴をしながら・・・ハマル本に出会ったら2時間とか余裕で入ってたりするのです。今私が読んでいるのは20年前に起きた日航機墜落事故に関する本。この夏あれから20年だということで、テレビ番組がたくさん放送されていたのだけれど、実は全く見なかったのです。正直、見るのがとっても怖かった・・・飛行機好きとしては飛行機に乗れなくなるんじゃないか?なんて思ったりもして。ところが先日本屋で1冊の本に出会いました。「日航機墜落~123便、捜索の真相」(イースト・プレス発行/河村一男・著)という、当時日航機事故対策本部長・・・警察の方が書かれた本でした。そういう人が書いているものなのだから、泣かせようという雰囲気作りで書いているものではないだろう・・・それに、20年前小学生だった私・・・飛行機が落ちたということと、生きていた人がいたということ、坂本九さんが亡くなった・・・ぐらいの記憶しかなく・・・いったい何が原因で落ちたのだろうか?いったいあの時なにが起きたのだろうか?あんな大きな事故について知らないなんてことは大人としてマズイことなんじゃないだろうか?なんて色々考えて、読む決意をしました。
私の中の飛行機事故のイメージは、落ちたら火の手が上がって、ものすごい音もして、たくさんの人が低空で飛ぶ飛行機を目撃して・・・なんて感じだったのですが、実際は群馬県のものすごく山深く、地元の人でも足を踏み入ることが無いような場所に落ちており、目撃者も少なく、火の手も見えず・・・新月で闇夜。その本でも読み始めて100ページを過ぎても墜落した飛行機がなかなか見つからない。それは最初から予想外の展開でした。長野に落ちたのか群馬に落ちたのかもなかなか分からず、長野県警が中心になるのか、群馬県警が中心になるのか・・・。まずは事故現場に到達せねばならないし、到達したら、今度は生存者を救出して、搬送しなければならない。事故で亡くなった方の遺体も運んで、どこかで遺族の方と対面できる場を作らねばならない。捜索には私が知らなかった段取りがたくさんいることを知りました。
次は違う立場の人の情報も得ようと、選んだ本が「日航ジャンボ機墜落-朝日新聞の24時」という朝日文庫から出ている朝日新聞記者がどう取材したかという本。「日航機墜落」にも取材に山へ入った記者が遭難しそうになったということが書かれていて、記者とはいったい事件事故現場でどう取材をしたのだろうか?と気になり読んでみました。この本は、捜査のこと、取材のこと、犠牲者のこと、残された遺族のこと、そして取材する側という立場について・・・。新聞社に事故の犠牲者となった遺族の方がいたりもして・・・いくつか読んだ本のなかで唯一涙をこぼしてしまった本でした。
そして、次に発見された遺体が遺族の元へ戻るまでの過程を書いた「墜落遺体」(講談社プラスアルファ文庫/飯塚訓・著)。この本はあまりにも大変な状況で最初方でギブアップしそうになりました。あまりにも生々しく、壮絶で。520名の犠牲者に対して棺桶が2000個以上になったという状況だけでも、壮絶さは伝わるはず。損傷が激しく、目視ではわからなくなってしまった遺体を遺族の元へ帰そうという努力と、身元確認作業の一部始終が書かれており、これが現実なんだと読み進みました。あの時、遺体が搬送された体育館で何があったのかのすべてを。そして、同じ著者の本で「墜落現場-遺された人たち」(講談社プラスアルファ文庫/飯塚訓・著)という本にも出会いました。これは、残された遺族のその後、事故現場に一番に到着したという消防団の方の話、自衛隊員の話、葬儀屋さんの話、検死をした医師看護師の話、そして生存者が運ばれた病院で起こった様々なこと・・・。
20年前の事故では思ってもみなかったこと、想像が及ばないことがたくさん起こっていました。尻餅事故の修理をした時のミスという完全に人災での事故が真相だったようなのですが(これにもまだまだ謎や納得いかないところがあるそうな・・・)、色んなことを考えさせられる読書となりました。私なんて単純に、腐敗の進行が・・・なんていわれると寒い時期だったほうが良かったのかな?なんて思いますが、あと1ヶ月ずれていたら寒くて生存者の方の命が危なかったそうな。そしてそれだけ発見に時間がかかったのなら、空から見渡せる海とかの方がよかったのでは?なんて思うのですが、以前読んだことがある「機長からアナウンス」(新潮社/内田幹樹・著)というパイロットの方のエッセイによると、海面に降りるというのは本当に難しいことなのだとか。胴体着陸になるので、波の角度に合わせて衝撃が少ないように降りなきゃダメなのだそうですが、操縦が利かなくなっていたことを考えるとかなり難しい状況のようです。また落ちた後、救出するのも大変だそうで・・・。
今回の読書ではジャンボ機墜落という事故の大きさ、遺された人の思い、日航に対する遺族の思い、日航の立場、遺体を遺族の元に帰そうと努力する人たち・・・色んな状況が見えました。万が一、私が犠牲者になったとしたら、うちの家族は私を見つけてくれるのだろうか?「あんたの体の特徴なんてわからんわぁ~」などと言う薄情な家族に、私の歯並びの特徴を話したりして。矯正したいなぁ~なんて日々思うこともあった歯並びですが、これが特徴になるのなら・・・なんて思ったりもしています。みなさんも、きっかけがあったら、ぜひこういうタイプの読書もしてみてください。そして、偏った方向だけではなく、できるだけ色んな立場の側から書いたものを読んでみてください。私もいくつか読んでみて、組織というものには色々立場がありなかなか思うように動けなかったりすることもあることを知りました。私ももう少し日航機事故についての本は視野を広げて読み進んでみようかと思っています。